岐阜市東部の住宅街、既設の家を取り壊し新築させていただいた。
オーナー様のご要望は、「中2階に“蔵”を設置し、収納の多い家にしてほしい」であった。
名ばかりの蔵ではなく、きちんと使える蔵を設けるにあたって、いくつものハードルが発生した。
蔵に約1.4mの天井高さを設けるため下階のキッチンの天井高さを押さえ、上階の寝室クローゼットを1段上げる方法を選択した。結果、高さ方向にユニークな空間を形成することに成功している。
また、外観では、隣地との隙間があまり無いため、南側への片流れの屋根とし、雪の隣地への落下の心配を無くし、将来雨樋改修の場合の足場設置にも考慮した。
玄関アプローチが道路と近接しているため、目隠し・緩衝として圧迫感の無いアクセントの塀を設けた。
仕上げはコンクリート打ち放しとし、表札・ポストも集約してある。
2階バルコニーは南側全てに設置されているが、中間部は物干し用として広くなっており、その部分の屋根は日差しが入るようアクリル板になっている。
2階寝室のクロスはオーナー様のコーディネートで斬新な色使いになっており、白い部屋に見慣れた目に新鮮な感動を覚える。
敷地寸法等厳しい条件の中、お施主様の要望を最大限組み入れた結果、コンパクトながらもユニークな家に仕上がった。