「市街化調整区域なのですが…」初めてご来社され、最初にお話しされた言葉でした。お話をうかがっていくと、とても複雑な状況で、他社を何社も回ってみえたご様子で、他社さんではあまり良い回答が出なかったようで、「何とかなりそうです」との当社の回答での安堵とお喜びの笑顔が印象的でした。もともと奥様のご両親が建てられたお住まいを建て替えて、奥様のご両親とご一緒に住まわれる2世帯住宅。「家族それぞれの気配を感じて生活したい」とのご要望で、セカンドリビング以外は全て共同使用で計画。建て替えなのですが、1階の基本レイアウトは従来とほぼ同じにし、ご両親の生活動線が変わらないこともご要望の一つで、ご両親を思う奥様のやさしさが表れています。コンパクトな住宅ですが、LDKの他に4つの個室とセカンドリビング、さらにキッチン収納とランドリールームと奥様の支度部屋も兼ね備え、とても機能的な間取りになっています。1階LDKの東面には大き目なFIX窓が設けられ、田園風景が一望できます。玄関脇に設けられたウッドデッキはご両親専用のくつろぎ空間にと奥様からのプレゼント。また、もともと1Mほど上段に建っていた旧お住まいと同じ高さで建築しました。東側隣地境の土留めヨウ壁こそ再工事を行いましたが、正面の石垣・石段は既設のままで再利用。建設には少々困難でしたが、見事に建物のみ再生しました。計画の経緯から計画途中でのご両親に対する感謝の思いがこの石段に表れた、ほのぼのとしたマイホームが完成しました。
