岐阜大学近くの自動車販売店舗併用住宅に、道路拡幅のため移転の話が持ち上がったのが平成22年春ごろであった。
移転先の土地決定後、速やかに建物建設計画を練ったが、打合せの際、店舗と住宅とを分離する案を提案しご賛同いただいた。
新店舗となった岐北自動車販売は、店舗エリアと作業エリアと2つのエリアで構成されている。
作業エリアでは、機能性を重視し使いやすさが徹底されている。リフトの位置や各エネルギーツールの位置・高さ等、何度も打合せを重ねた。
また、その作業棟の2階には広大な倉庫があり、タイヤストックの利用を考慮して荷物用エレベーターを設置した。
店舗エリアにおいては、コンセプト・デザインともに一任させていただいた。テーマは【融合】である。
デザインと機能の融合・外部と内部の融合・店舗棟と作業棟の融合、そして地域との融合である。店舗のファサードには屋外展示スペースを設け全開口サッシを通して内外を融合させる。天井は張らず、屋根裏や構造材を露出させ大きな吹き抜けを形成し、マットブラックに仕上げ“無・夜空・宇宙”をイメージさせる。店舗棟と作業棟との壁に大きなガラス窓を設け、お客様が愛車のメンテナンスの様子が見えるよう工夫した。
細かいところにもアイデアと工夫が盛り込まれており、オーナー様をはじめ店のお客様にも好評な店舗に仕上った。